Jul 11, 2009

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 ■長年カット実施せず/市職労、抗戦モード

 統一地方選後半戦で、地域政党「大阪維新の会」が初めて首長選に候補を擁立し、井上哲也氏が現職を破った吹田市長選。選挙応援に立った代表の橋下徹知事は、維新のマニフェストに掲げた大阪都構想は封印し、大阪市役所批判に匹敵する吹田市役所批判を展開、民意をつかんだ。橋下知事が噛み付き、府も長年指摘してきた給与構造の抜本改革は進むのか。維新首長の手腕が注目されている。

 「本当に吹田市役所の給料はむちゃくちゃですよ、お父さん!」

 橋下知事は吹田市長選の選挙期間最終日、街頭演説でこう力説した。「吹田市は役人天国」「政治を役所から取り戻そう」−。演説のパターンは、都構想の必要性を訴える際に展開された大阪市役所批判とほぼ同じだった。

 米国のサブプライムローン問題を発端とする世界同時不況の影響などで地方自治体財政が逼迫(ひっぱく)するなか、吹田市の財政状況も厳しい。同市は平成21年3月、「景気悪化が継続すれば数年内に予算編成が不可能になる」として「市職員体制再構築計画」を開始。特に経常収支の36・4%を占める人件費は他市と比べて高額だとして、25年4月までに職員数を20年4月比398人減とするとしている。

 ただ、府や他市で実施されている自治体独自の給与カットは長年実施していない。同市人事室によると、職員給料を実際の役職よりも高いランクにかさ上げして支給する「わたり」が問題視されたのを受け、21年9月から内部で研究会を開き検討してはいるが、市職員労働組合との交渉で提示したことはないという。

 府は毎年、府内市町村の給与実態調査として担当者レベルからヒアリングを行い、国の基準を上回る給与が支給されているなどの場合は改善を求める「助言」を行っている。吹田市は22年の調査で、国家公務員の基本給を100として地方公務員の給与水準を示す「ラスパイレス指数」が府内最高の101・6だ。

 府市町村課は「諸手当も含めれば府内一厚遇。国の基準に沿わない部分が多い」と長年助言を行っているが、「改善されていない」と指摘している。

 吹田市人事室は「いわゆる『わたり』は19年度に行った職務、職責の整理で是正済みと理解している」と説明。「ただ、国を基準にした一定枠での比較では、給与が高めなのは事実。新市長が就任されれば、それなりの措置はあるだろうと覚悟はしている」と話す。

 一方、市職労は「非正規職員も含めた給与の平均は決して高くない。新市長には粘り強く話していく」とすでに抗戦の構え。議会もオール野党からのスタートになるが、ある維新幹部は「大阪都構想実現は、大阪秋の陣で決着をつけたい。公約を守るかに有権者は敏感だ。新市長が吹田市政改革で発揮される手腕は、維新自体の評価にもつながる」と、維新首長の市政運営に注目している。

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 ■原発事故で状況一変 「予算執行」署員ら戸惑い

 蒸し暑い梅雨を前に、大阪府警が冷房の運用をめぐって苦悩している。これまで全64署で深夜の時間帯には切られていた冷房を、6時間延長する念願の予算を今年度から初めて獲得していたが、手放しで歓迎できない事情が生じたからだ。理由は、東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故を契機に広がった節電ムード。府警内部からは「そのまま予算を執行していいものか」と戸惑う声も聞こえるが、果たして決断の行方は−。

 府警によると、各署ではこれまで、空調設備の管理を業者に委託し、冷房は毎年6月20日から9月19日まで稼働。予算上、午前9時〜午後10時のうち12時間以内で運用し、夜間でも室温が28度を下回れば切っていた。大阪市内のある署の幹部は「夏場の深夜に、冷房なしでは汗だくで、発生した事件や事故の報告書をまとめようという気力も減退する。仕事の能率はガタ落ちだった」と明かす。

 府警会計課によると、午後10時以降の「冷房時間の延長」は、平成23年度の府当初予算で初めて要求した。「第一線警察活動の強化」として掲げた諸施策のうち、約9800万円を計上していた。22年度、ひったくりワーストワンを返上したように、現場の警察官が最前線に立つ街頭犯罪対策は府警の最重要課題のひとつ。橋下徹知事が全面的にバックアップしていることもあり、今回の予算要求が通ったとも言われる。

 劣悪な職場環境から脱却できるとあって、今年2月の当初予算発表当時は、現場で歓迎ムードが広がった。

 署に泊まり込む宿直勤務を長く経験しているベテラン警察官は「冷房の延長が決まってうれしい。今まで深夜は窓を全開にし、うちわや小型扇風機でしのいでいた。ステテコ一枚で机に向かっても暑くて、署内の冷水シャワーを浴びながら働いたものだ」と語る。

 だが3月11日の東日本大震災と原発事故を機に、雰囲気は一変。東日本を中心に広がった節電ムードに、府警本部の管理部門から「冷房時間や温度の運用には検討の余地があるのでは」との声も聞かれるようになった。

 東日本と西日本では周波数が異なるため、署の節電が直接被災地への電力支援につながるわけではないが、現場の署員らの胸中は複雑なようだ。

 府警会計課は「基本的に予算が認められた範囲内で運用する方向だ」としながら、稼働時間の短縮については「可能性としてありうる。状況をみながら対応したい」としている。

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